著者
林 登志雄
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.7, pp.460-464, 2008-07-01 (Released:2011-04-14)
参考文献数
13
被引用文献数
2 2

シトルリンはアミノ酸の一種で,尿素回路を構成する化合物の一つである.1930年に日本の研究者によって,スイカの果汁から発見された.化学式は C6H13N3O3,化合物名は2-アミノ-5-(カルバモイルアミノ)ペンタン酸,分子量は175.2である.「シトルリン(citrulline)」という名前は,スイカの学名である Citrullus vulgaris に由来する.動物,特に哺乳類に広く存在し,1950年ごろには,ヒトの体内で重要な役割を果たしていることが明らかになり,1980年代に入ると,一酸化窒素(NO)との関係が見いだされ,今日この分野での研究が活発に行なわれている.