著者
柏木隆宏 黄瀬浩一
雑誌
研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.20, pp.1-6, 2011-08-29

莫大な数の部分空間を用いて 3 次元物体を高速に認識する手法を提案する.通常,データベース中の部分空間とクエリとなる特徴量の類似度は,その部分空間へ射影した際の射影長を計算することで求められる.そのため,データベース中の部分空間の数が莫大になると,全ての部分空間との類似度を計算し,物体を認識するために,莫大な処理時間が必要となる.そこで我々は、莫大な数の部分空間のデータベースに対して,近似的に探索を行い,高速に物体を認識する手法を提案する.また,近似探索を行った場合でも認識率を維持するため,近似を用いて高速に部分空間の絞り込みを行い,絞り込んだ部分空間において正確な類似度の比較を行う手法も提案する (2 段階処理).更に,この手法を相互部分空間法にも適用し,3 次元物体の高速で高精度な認識を実現する.実験を行った結果,近似を用いて類似度の高い部分空間を求めて物体を認識した場合,近似を用いない場合に比べて処理時間を 300 分の 1 にすることができた.また,近似を用いて相互部分空間法を行うことで,近似を用いた部分空間法と比べて,認識率が 60% 以上向上した.