著者
柳井 佳孝
出版者
Waseda University
巻号頁・発行日
2004

近年の計算機性能の大幅な向上は大量データを扱うことを可能にし、それに伴い各種工学的手法を用いて株価予測の研究が行われてきた。しかし、従来研究はあまりに単一銘柄の予測に特化しすぎており、ポートフォリオをどのように組むかに注目していない。一方、Markowitzに始まるポートフォリオ構築に関する従来研究の問題はリターン生成プロセスの説明力が高くなく明示的にリターンに時系列構造を考慮していない。そこで、本研究では”Portfolio Selection”における個別銘柄の期待収益率の計算にNNを用いて算出される予測期待収益率を用いることによりリターンに時系列構造を考慮してポートフォリオを構築する手法を提案する。提案手法では日経225銘柄から無作為に選択した8社のデータで株式売買シミュレーションを行い、全銘柄と比較を行ったところ収益率のばらつきを抑え長期的に収益を上げる可能性があることが示された。