著者
三宅 直之 柳原 幸治 新藤 直子
出版者
社団法人日本リハビリテーション医学会
雑誌
リハビリテーション医学 : 日本リハビリテーション医学会誌 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.36, no.10, pp.644-648, 1999-10-18
被引用文献数
1

家事動作での能力障害とその自立度との関係を調査した.対象は知的低下のない84名の女性脳卒中患者であった.調査した家事動作は料理・掃除・洗濯・買い物の4項目であった.その結果,16名が4項目全てをこなし,22名が全て行えず,残りの46名は一部分の項目を行っていた.数量化I類による分析では,歩行能力と上肢機能の回復の程度が最も家事動作の遂行度に影響を与えた.また,今回の対象では,高次脳機能障害,加齢自体は,遂行度に与える影響は小さかった.積極的に主婦業をこなすには,屋外歩行の自立,補助手以上の回復が望まれた.多くの対象者が家族内の他のメンバーから援助を受け,また家事動作能力が低いほど,より多くの援助がなされていた.(リハ医学1999;36:644-648)