著者
友川 礼* 桐木 陽子* 高橋 圭三**
出版者
松山東雲短期大学研究論集委員会
雑誌
松山東雲短期大学研究論集 (ISSN:03898768)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.1-13, 2018-03-31

近年の経済政策は、一億総活躍社会、働き方改革に象徴されるように、特に、女性の働き方を多様化させることで、就労を推進する動きがある。そのため、国は、扶養家族の社会保障の見直しや雇用者が従業員の 雇用条件や就労時間等に即した事業所内保育事業や企業主導型保育事業の整備を補助するなどの政策を推進 している。本研究では、①交代制勤務で働く女性にとっての事業所内保育事業の意義と特徴的な保育ニーズを明らかにし、②交代制勤務に従事する保育ニーズを充足するための家庭支援のニーズを検討する。その上で、③交代制勤務の働き方に合わせた保育ニーズを充足することの社会的意義を検討することを目的とする。本研究の方法は、松山市内の高齢者と障がい児・者を対象にした福祉施設のうち、事業所内保育事業を有する法人で働く女性を対象に、事業所内保育事業への認識と意義、また、就労継続と昇進の意向に関して質問紙調査を行った。交代制勤務に従事する女性の多様な働き方に応じた事業所内保育事業の意義と必要性とともに、拡充に向けての課題が明らかになった。