著者
河本 敬子 桑島 史欣
出版者
日本医用画像工学会
雑誌
Medical Imaging Technology (ISSN:0288450X)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.11-16, 2012 (Released:2012-02-22)
参考文献数
15
被引用文献数
2

赤外のレーザー光は,皮下に存在するメラニンに対して選択的に吸収されやすいため,良性の色素性疾患治療に有効であり,レーザー脱毛にも応用できる.しかし,同じ用途に対してさまざまな波長のレーザーが用いられており,最適な波長が明らかとなっていない.また,これまでのレーザー装置は巨大,高価かつ使用に専門的知識を必要とする.一方,個人向けに売られている商品は,波長,出力,照射範囲などが曖昧となっている.本研究では,脱毛や色素性疾患治療に利用可能な近赤外半導体レーザーを模索すべく,細かく刻んだ人毛をサンプルとして,サンプル温度の上昇におけるレーザー波長依存性を調査した.その結果,波長が784.74nmのときに温度変化が大きいことがわかった.