著者
森川 和哉 鵜川 始陽 岩崎 英哉
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.27-27, 2013-01-24

Jikes RVM上で,ビットマップマーキングを利用したマークコンパクトごみ集めを実装し評価した.マークコンパクトごみ集めで広く使われているLisp 2アルゴリズムでは,オブジェクトの移動処理のために,生きているオブジェクトをアドレス順に2回探索する.本手法は,オブジェクトの生存情報をビットマップを使って保持し,そのビットマップをスキャンすることによって,生きているオブジェクトを探索する.生きているオブジェクトが少ない場合,ビットマップ上ではゼロビットが連続しているため,この探索を高速化することができる.提案するごみ集めの性能をDaCapoベンチマークを用いて評価したところ,プログラムによっては,ヒープの使用率が低い場合に,Jikes RVMに標準で搭載されているマークコンパクトごみ集めよりも優れた結果を示した.