著者
楊 〓叡 堀田 明裕
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.29-36, 2005-11-30
参考文献数
21

報知機能に関するサイン音の意味を調べるため, 音要素(高さ, 長さ, 大きさ)が生起する印象について評価実験を行った。被験者22人に41の実験音を提示し, 5つの報知機能(位置, 誘導, 通報, 案内, 規制)を想定した25の評価語対によって, 7段階の印象評価を行った。評点平均値の結果から音の高さが位置の高低と関わりのあることがわかった。また, 音が短ければ, 緊張感が強くなる傾向がみられ, 音が大きければ, 威圧感が強いという効果があった。因子分析では, 1強制, 2判別, 3緊張, 4象徴, 5持続, 6確認, 7方向の7因子が抽出された。規制機能に第1因子, 位置機能には第2因子, 通報機能には第3, 6因子, 案内機能には第4, 5因子, 誘導機能には第5, 7因子が含まれていた。実験音と評価語から抽出した印象と音の物理的特性, 因子の対応関係は, 新たなサイン音をデザインする時に有効と考えられた。