著者
前田 良刀 落合 英俊 横田 康行
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.715, pp.107-115, 2002-09-21 (Released:2010-08-24)
参考文献数
15

本文は, 震度法による力学モデルと塑性論の上界定理に基礎をおく速度場法を用いて, 直接基礎の支持力特性を検討したものである. 本文で想定した破壊メカニズムをもとに, 荷重と地盤の傾斜を同時に考慮できる汎用性のある直接基礎の支持力式を提案した. そして, 荷重の傾斜と地盤の傾斜が支持力に与える影響について考察した. これから, 荷重傾斜角が支持力に与える影響は従来の研究と同様の傾向を示すが, 水平震度が大きくなると荷重傾斜角の影響を無視できなくなることを示した. このため, 現行の設計実務で用いられている直接基礎の支持力式は水平震度が小さい領域では問題とならないが, 水平震度が大きくなると支持力を過大評価する可能性を指摘した.