- 著者
-
橘 春帆
伊藤 貴之
- 出版者
- 芸術科学会
- 雑誌
- 芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
- 巻号頁・発行日
- vol.7, no.2, pp.22-33, 2008 (Released:2008-07-30)
- 参考文献数
- 29
クラスタリングされた表形式データは,情報科学の多くの場面において重要な役割を果たしている.このような表形式データの内容を効果的に可視化する手法として,表形式データを階層構造やグラフ構造に変換した上で可視化する手法が,近年になって多数報告されている.本論文では,階層型データ可視化手法「平安京ビュー」を使った表形式データの可視化手法を提案する.提案手法ではまず,表形式データの行および列を構成するデータ要素に,クラスタリングを適用し,各々の結果から階層型データを構築する.続いて,行を構成するデータ要素で構成される階層型データに対して,「平安京ビュー」を適用して可視化する.同様に,列を構成するデータ要素で構成される階層型データに対しても,「平安京ビュー」を適用して可視化する.この2 つの可視化結果を相互に操作することで,大規模な表形式データの内容を探索する新しい可視化を実現する.著者らは実験例として,新聞記事コーパスから作成された表形式データの可視化を試みた.本論文では,「左京と右京」によって新聞記事コーパスから,興味深いいくつかのキーワード群や記事群を発見できた事例を紹介する.