著者
千葉 雄司 大石 圭一 永井 佑樹 中川 満
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.1-9, 2019-01-30

RL78マイコンのようなアキュムレータマシンでは,多くの命令において,オペランドとして使えるレジスタがアキュムレータのみとなっており,その結果,命令スケジューリングの際に,命令を単独で移動しようとしても,アキュムレータに関する依存に移動を阻まれることが多い.この問題を回避して命令をスケジュールする方法として,移動の対象を,単独の命令ではなく,命令列,具体的には,アキュムレータに値を代入する命令から,代入した値を最後に利用する命令までの命令列にする方法を提案する.提案した方法をRL78マイコン向けCコンパイラ製品CC-RLの命令スケジューラに適用し,その効果を,CoreMarkやFFT,SHA256などのベンチマークによって評価したところ,最大で2.12%実行を高速化できることが分かった.