著者
永塚 正博
出版者
Waseda University
巻号頁・発行日
2004

数千人が同時に1つのサーバに接続してプレイするネットワークRPGであるMMORPGにおいて、近年のインターネットユーザの増加に伴い、サーバへの負荷集中が発生しており大きな遅延が生じている。本論文では、サーバ・クライアントモデルを利用している現在のMMORPGに対してP2Pモデルを適用することによる遅延削減法を提案する。提案手法においては、P2Pモデルと従来のサーバ・クライアントモデルを両用するハイブリッドP2Pモデルを用いる。P2Pを用いることで、クライアント側への負担は増加することが考えられるが、実際に運営されているMMORPGの通信量を計測し、P2Pを用いた場合をシミュレーションしてみた結果、2004年12月現在の一般的なブロード回線(ADSL8Mbps〜50Mbps)を利用する限りにおいて、クライアント側での負担増加による回線圧迫の問題は発生しないことが分かった。