- 著者
-
山本 玲子
池本 淳子
- 出版者
- 小学校英語教育学会
- 雑誌
- 小学校英語教育学会誌 (ISSN:13489275)
- 巻号頁・発行日
- vol.17, no.02, pp.38-53, 2017-03-20 (Released:2018-08-02)
- 参考文献数
- 11
本研究は,小学校国語科で行われているローマ字指導を,英語文字指導の一環と位置づけ,英語科・国語科を融合させたことばの学びが,英語・日本語の言語形式への気づきや習得につながるかを実証することを目的とする。まずローマ字教育の歴史と現状を概観することで,日本で訓令式が定着した経緯とヘボン式への切り替えが円滑に進まなかった理由と現状の課題を明らかにした。児童の立場に立ったことばの教育の推進のために,国語科と英語科(外国語活動)が連携しローマ字指導を変えていく必要性が明らかになった。さらに教員への質問紙調査により,英語教育・情報教育の充実による小中学校現場の変化とヘボン式ローマ字の需要を確認した。小学校教員はヘボン式の指導は訓令式より困難であると感じており,ヘボン式の指導法を研修したいと要望していることが明らかになった。 そこで教員が指導に不安を持たないよう工夫したヘボン式ローマ字教材として絵本と練習帳の2 種類の教材を開発し,公立小学校3 年生で実際に使用し効果を検証した。