著者
國枝 孝之 山田哲 池田哲也 米谷 雄介 後藤田 中 八重樫 理人
出版者
国立大学法人 情報系センター協議会
雑誌
学術情報処理研究 (ISSN:13432915)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.138-144, 2019-09-17 (Released:2019-09-17)
参考文献数
10

香川大学は,地域課題解決型の情報システム「広告表示プリンタシステム「KadaPos/カダポス」」,「観光日記生成/印刷システム「KaDiary/カダイアリー」」,「旅の思い出を記録する観光ガイドブック生成/印刷システム「KadaPam/カダパン」」を,株式会社リコーと共同で開発した.これら情報システムの開発では,株式会社リコーの有する画像照合技術,印刷制御技術と,香川大学の有する情報システム開発技術を組み合わせ(オープン・イノベーション),「地域課題の抽出」,「課題に対する解決策(仮説)の立案」,「仮説を検証するためのプロトタイプシステムの開発」,「プロトタイプシステムを用いた実証実験」,「実証実験結果に基づく事業化判断」からなる,「香川大学型開発モデル」に基づいて開発がすすめられた.本論文では,「香川大学型開発モデル」と,カダポス,カダイアリー,カダパン開発における「香川大学型開発モデル」の実践について述べる.「香川大学型開発モデル」に基づいた香川大学における地域課題型情報システム開発の実践は,「香川大学型開発モデル」が地域課題解決型情報システム開発や,企業における技術検証などにおいて一定の効果があることを示している.