著者
河合 蘭
出版者
医学書院
雑誌
助産雑誌 (ISSN:13478168)
巻号頁・発行日
vol.69, no.11, pp.938-945, 2015-11-25

妊娠・出産の世界では「晩産化を食い止めなければ」という声が高まる一方だ。しかし,女性たちになかなか産まない理由を聞くと,「早く産んだほうがいいのはわかっているのですが,こればかりは相手がいることなので」と言う人が実に多い。 国の統計でも,たしかに,未婚率はどんどん上がっている(図1)。30〜34歳の未婚者は,1970年代までは男女とも10人に1人程度だったが,今や男性は約半分,女性は3人に1人となった。国立社会保障・人口問題研究所の「出生動向基本調査」によれば,「いずれ結婚するつもり」と回答する未婚者は今なお約9割を占めているが,実際には,相手が見つからないのだ。
著者
河合 蘭
出版者
医学書院
雑誌
助産雑誌 (ISSN:13478168)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.410-415, 2015-05-25

2015年3月,5年ごとに見直される少子化対策の基本方針「少子化社会対策大綱」が新たに発表された1)。その内容は多岐にわたるが,これまでになかった新しい政策の1つに「妊娠・出産の医学的・科学的に正しい知識の教育」がある。 これには,次のような数値目標も示された。 「妊娠・出産に関する医学的・科学的に正しい知識についての理解の割合:70%」
著者
河合 蘭
出版者
医学書院
雑誌
助産雑誌 (ISSN:13478168)
巻号頁・発行日
vol.69, no.6, pp.498-503, 2015-06-25

前回に引き続き,2015年3月に発表された少子化対策の基本方針「少子化社会対策大綱」に盛り込まれた「妊娠・出産の医学的・科学的に正しい知識の教育」についてお伝えしていく。 前回は,知識の普及についてこれまでの変遷を見てきた。それは,すでに出産年齢にある女性を主な対象とし,「本や雑誌を買う」「講演に行く」などの自発的な行動に期待するものだった。行動した人はすでにある程度の危機感をもっていた。