著者
小倉 光夫 河本 清高
出版者
一般社団法人 日本環境化学会
雑誌
環境化学 (ISSN:09172408)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.863-869, 2005-12-16 (Released:2010-05-31)
参考文献数
17
被引用文献数
5 5

固体環境試料中の銀 (Ag) の正確で, 簡便な分析方法を検討した。固体試料1.00gをフッ化水素酸/硝酸/過塩素酸で分解して100mlの試験溶液を調製した。これを10ml分取し, (1+1) アンモニア水2mlを加えて30分間撹拌後水酸化物沈殿をろ別し, ろ液中のAgをICP質量分析法 (107Ag及び109Ag, 内標準法) で定量した。本法によって6種の環境標準試料 (土壌, 底質) 中のAgを分析したところ, いずれも保証値等と良く一致する結果が得られ, また107Ag及び109Agの分析値も互いに良く一致した。繰り返し分析精度は, 1.9~3.7%であった。神奈川県内の河川底質中のAg濃度は0.06~0.18μg/g (平均0.097μg/g) であった。