著者
浮川和宣
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC)
巻号頁・発行日
vol.1988, no.70(1988-ARC-052), pp.1-9, 1988-09-27

機能の拡張性、操作環境の共通性、および情報資産の継承と可搬性、という3点を骨子とするAAC構想を支える技術について報告する。ここで紹介するのは、マルチタスキングやマルチウィンドウ環境を提供するシングルユーザ向きのスクリーンシステムである。これは、プログラムモニタとスクリーン管理、そしてアプリケーションにわけられる。プログラムモニタは、スクリーン管理とアプリケーションの、プログラムの実行とタスクの管理及びメモリ資源の管理を行う。プログラムモニタの上位にあるスクリーン管理は、機種に依存しないアプリケーションの実行環境を提供する。特徴として、マルチスクリーン論理メモリ管理、アプリケーション間通信、あるいはマルチリンガルや発音記号を含むコード体系があげられる。スクリーンの上で動くアプリケーションは、キーボードやメニューのカスタマイズを可能にし、アプリケーションの特殊な形態であるVAF (Value Added Function)を機能として取り込むことができる。一方、ドキュメントファイルを共通化し、それによってGrouping、Bindingといった応用技術をサポートする。これらの機能によって、AAC構想が実現することを明らかにする。