著者
深澤 茂俊
出版者
神戸親和女子大学福祉臨床学科
雑誌
神戸親和女子大学福祉臨床学科紀要 = Bulletin of social welfare, Kobe Shinwa Women's University (ISSN:18812414)
巻号頁・発行日
no.13, pp.15-29, 2016-03-31

近代の聴覚障害教育の歴史を見ると手話から口話への流れがあり、手話を否定し、手話を排除する歴史があった。この事実に基づき見てみると、「手話か口話か」といった考えの教育ではなく、「手話も口話も」といった教育の大切さを知ることができた。また、盲聾教育の歴史は、創意工夫の歴史であった。さらに、聴覚障害から視覚障害を受障した事例と、視覚障害から聴覚障害を受障した2事例を通して、多様なコミュニケーション手段が開発され、受け入れられる、そして容易に活用できる社会の大切さを伺い知ることができた。このような社会の実現こそが、聴覚障害児・者のノーマライゼーションを実現するといえよう。