- 著者
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清家 昇
- 出版者
- THE SOCIETY FOR REPRODUCTION AND DEVELOPMENT
- 雑誌
- Journal of Reproduction and Development (ISSN:09168818)
- 巻号頁・発行日
- vol.38, no.6, pp.j121-j127, 1992
- 被引用文献数
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牛胚移植技術の普及を目指し,多くの酪農家と共に種々のETに取り組んだ.非過排卵処置牛からの採卵は供卵牛にホルモン剤を投与しない為、比較的容易に酪農家に受け入れられ,ET技術を理解して頂く上で有効であった.また,高泌乳牛群を用いたETは農家のET技術への偏見を払拭し,ET技術の素晴らしさを再認識して頂く上で効果的であった.特に,2頭のET牛は乳量日本記録を更新し,多くの酪農家の注目を浴びると共に,優良牛を用いてのET普及に大きく拍車をかけた.更に,優良未経産牛群を用いたETは,供卵牛を所有しない一般酪農家のET取り組み方法として有効であると共に,改良の世代間隔を短縮出来る効果的な手段であった.胚の切断2分離技術は,人為的な1卵性双子の作出により,高価な胚を効率的に移植し,回収胚からより多くの産子を獲得できた.またETS子牛の正常性も明らかとなった.