著者
小川 雄太郎 清水 琢也 横井 俊昭
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.3Q3J1304, 2019 (Released:2019-06-01)

流体シミュレーションは製造業などの製品設計フェイズで重要となるCAE (Computer Aided Engineering) のひとつである. より最適な設計を実現するうえで流体シミュレーションの計算時間短縮は重要な課題のひとつであり, 近年は機械学習を使用した高速化手法の試みが盛んになりつつある. 本研究では流体シミュレーション手法のひとつMPS法 (Moving Particle Semi-implicit) に着目し, MPS法の一部を機械学習モデルに置き換え高速化する手法を提案する. 具体的にはナビエ・ストークス方程式の圧力勾配項を求める際に, MPS法では陰解法形式になっている圧力計算部分を, 10種類の特徴量からなる入力と勾配ブースティング回帰木による回帰モデルに代替し, 流体シミュレーションを高速化する. 最後に提案手法の定性的挙動を流体シミュレーションのトイプロブレムであるダム崩壊問題の数値計算で確認し, 提案手法の結果が従来手法と同様の挙動を示すことを示す.