著者
古川 豊 渡邉 一哉
出版者
一般社団法人 環境情報科学センター
雑誌
環境情報科学論文集 Vol.32(第32回環境情報科学学術研究論文発表会)
巻号頁・発行日
pp.131-136, 2018 (Released:2018-12-07)
参考文献数
13

農業用水路である文下堰では,イシガイ類が多数生息している。100 個体を用いた観察・実験の結果,次のような知見が得られた。1)水路内での性成熟期間は約3 年。2)性成熟までに流下する距離は120m。3)宿主であるドジョウへの寄生には10 秒以上の時間が必要であり,流速に換算すると0.012m/s以下となった。4)宿主への寄生のためにはグロキディウム幼生は10,000個/日以上の放出が必要で,その期間は15日程度であった。5)宿主の運搬距離は275m以上と算出された。成貝の生息地点よりも下流に寄生環境が存在する必要があるといった配置条件も示された。