著者
湯川 恵子
出版者
神奈川大学 国際経営研究所
雑誌
国際経営フォーラム (ISSN:09158235)
巻号頁・発行日
no.31, pp.235-276, 2020-12-25

本研究では、少子高齢化に伴う労働人口減少の中で優秀な外国人材が日本企業に適応(インクルージョン)するのを促進させるための方策を、日本の教育機関を卒業または修了し、現在日本の企業で働く外国人へのアンケート並びにインタビューから提案した。その結果、第一に日本独特の採用方法に対する配慮の問題、第二に適切な人事評価とその丁寧な説明、第三に日本語のサポートも含めた社員教育の充実、についての知見が得られた。日本企業にとって外国人材がもつ多文化理解がダイバーシティ経営の取り組みを前進させることにつながり、その最終的な成果としてこの外国人材育成の手法そのものが、日本企業のグローバルな競争優位性にソフト面から貢献することが期待されることが明らかになった。