著者
服部 健太 溝江 真也 三角 正樹
雑誌
第54回プログラミング・シンポジウム予稿集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.99-106, 2013-01-11

仮想化環境やクラウドの浸透によって,ITシステムの利用は高度化しており,それにともないシステム運用の負荷も高くなっている.このような状況の中,多くの現場では,突然のトラブル対応や頻繁な設定変更の依頼などに追われて,エンジニアが疲弊してしまうといった問題がある.現場では,監視ツールやチケット管理ツールなど,運用のための様々なツールを導入したり,個別のスクリプトやマクロを駆使したりするなどして,効率化の努力を行っているところも多いが,最終的に,これらツール間のやり取りを行うのは人手であるため,なかなか負荷軽減につながらない.我々はこのようなITシステムの運用現場を少しでも効率化することを目指して,IT運用自動化プラットフォームKompiraを開発している.従来から数多くある統合運用管理ツールと異なり,Kompiraでは運用自動化に必要な最小限の機能に的を絞ることで,シンプルで軽量なプラットフォームを実現している.運用業務とは数多くのツール間を連携させることであるととらえ,Kompiraはそれらをジョブフローと呼ぶ運用手順を記述したスクリプトで結びつける.本稿では,Kompiraの特長や設計と実装について説明し,実際の適用事例を紹介する.