著者
澤 新一郎
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.78-81, 2015-01-20 (Released:2016-01-20)
参考文献数
21

近年,哺乳類免疫組織に抗原受容体をもたない自然リンパ球が多数存在し,免疫式応答における主要サイトカイン産生源として重要な役割を果たすことが明らかになった.自然リンパ球は細胞障害活性をもつNK細胞とサイトカイン産生を主体とする1–3型ヘルパーILCに分類され,それらの分化に必要な転写因子群はT細胞と重複する.リンパ球における抗原受容体の発現は生物進化過程における獲得免疫系の発達という観点から興味深く,今後の研究展開が期待される.