著者
瀧 一世
出版者
奈良大学大学院
雑誌
奈良大学大学院研究年報 (ISSN:13420453)
巻号頁・発行日
no.18, pp.83-91, 2013

現在、インターネットの普及により、研究者の間で「インターネット依存症」と呼ばれる問題が注目をひくようになった。その結果、いくつかの研究がなされ、いくつかの尺度が開発された(Young, 1998;菱山, 2009)。しかし、これらの尺度における共通の問題として、インターネット依存症の定義が曖昧であり、依存と過度の利用との区別がされていないことが指摘される。以上の問題を改善するために、まず依存症の定義を行ない、その定義に基づいて新しい尺度を作成した。さらに、新しい尺度を用いて私立大学生を対象に調査を実施した。調査によって集められたデータを因子分析にかけ、その結果『対人関係形成のための過剰なインターネット利用』『インターネット離れの困難さ』の2つの因子が抽出された。