著者
烏賀陽 梨沙
出版者
美術科教育学会
雑誌
美術教育学:美術科教育学会誌 (ISSN:0917771X)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.123-135, 2014

本稿の目的は,近年のアメリカの美術館教育の現状を文化的,教育的,社会的枠組みの中で位置付け,美術館教育の発展にはどのような要因が影響しているかについて,社会的・経済的視座もいれ多角的に分析・考察することである。1990年代以降を中心に,筆者の過去の調査・研究をもとにニューヨークの美術館の実例や先行研究の例から分析する。事例に即して検討した結果,1980年代後半から1990年代の財政困難期,美術館はその脱却方策を模索したが,そこに二つの方向性がみられた。一つは外部資金(公・民)を積極的に取りにいくこと,二つ目は教育的プログラムやサービスの充実に美術館の焦点が移行することである。こうして美術館教育の発展に,資金援助側の戦略的助成方針など外的要因も関係するようになる。また,近年の認知心理学の進歩も相乗し,美術館に関連した新しい学習理論がうみだされ美術館教育の方法論の充実へとつながり発展を助長した。
著者
烏賀陽 梨沙
出版者
美術科教育学会
雑誌
美術教育学:美術科教育学会誌 (ISSN:0917771X)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.123-135, 2014-03-20 (Released:2017-06-12)

本稿の目的は,近年のアメリカの美術館教育の現状を文化的,教育的,社会的枠組みの中で位置付け,美術館教育の発展にはどのような要因が影響しているかについて,社会的・経済的視座もいれ多角的に分析・考察することである。1990年代以降を中心に,筆者の過去の調査・研究をもとにニューヨークの美術館の実例や先行研究の例から分析する。事例に即して検討した結果,1980年代後半から1990年代の財政困難期,美術館はその脱却方策を模索したが,そこに二つの方向性がみられた。一つは外部資金(公・民)を積極的に取りにいくこと,二つ目は教育的プログラムやサービスの充実に美術館の焦点が移行することである。こうして美術館教育の発展に,資金援助側の戦略的助成方針など外的要因も関係するようになる。また,近年の認知心理学の進歩も相乗し,美術館に関連した新しい学習理論がうみだされ美術館教育の方法論の充実へとつながり発展を助長した。
著者
烏賀陽 梨沙
出版者
美術科教育学会
雑誌
美術教育学:美術科教育学会誌 (ISSN:0917771X)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.99-112, 2010-03-20 (Released:2017-06-12)

本稿の目的は,総合大学と美術館という二つの学際的な機関が連携して実現した「福岡道雄プロジェクト(2007年度)」の中で,学生とアーティスト(すなわちダイアローグ),学生と美術館のコミュニケーションが実際どのように行われたかを描出すると同時に,アート,特に同時代性のある「現代美術」の関与が,学習者の思考態度にどのような影響を及ぼすかという認知的視点からも事象を描出し,その教育的な意味や現代美術への教育的アプローチを考察することである。「福岡道雄プロジェクト」とは,龍谷大学・国際文化学部と滋賀県立近代美術館との連携により,「『福岡道雄展』での教育プログラムを企画・立案する」ことを目標に組まれた一連のプロジェクトである。本稿はその活動の実践報告のみならず,「現代美術」を思想の伝達視覚媒体として捉えた時の鑑賞教育のあり方と発展性を検証する。
著者
烏賀陽 梨沙
出版者
美術科教育学会
雑誌
美術教育学:美術科教育学会誌 (ISSN:0917771X)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.99-112, 2010

本稿の目的は,総合大学と美術館という二つの学際的な機関が連携して実現した「福岡道雄プロジェクト(2007年度)」の中で,学生とアーティスト(すなわちダイアローグ),学生と美術館のコミュニケーションが実際どのように行われたかを描出すると同時に,アート,特に同時代性のある「現代美術」の関与が,学習者の思考態度にどのような影響を及ぼすかという認知的視点からも事象を描出し,その教育的な意味や現代美術への教育的アプローチを考察することである。「福岡道雄プロジェクト」とは,龍谷大学・国際文化学部と滋賀県立近代美術館との連携により,「『福岡道雄展』での教育プログラムを企画・立案する」ことを目標に組まれた一連のプロジェクトである。本稿はその活動の実践報告のみならず,「現代美術」を思想の伝達視覚媒体として捉えた時の鑑賞教育のあり方と発展性を検証する。