著者
蘆田 玲子 田中 幸子 井岡 達也 片山 和宏
出版者
一般社団法人 日本膵臓学会
雑誌
膵臓 (ISSN:09130071)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.30-37, 2017-02-25 (Released:2017-03-17)
参考文献数
19
被引用文献数
2

膵臓癌における死亡者数は年々増加傾向にある.血液マーカーなどの有効なスクリーニング方法がない現状では無症状の被検者に対する超音波検診が早期膵癌発見のために非常に重要である.しかし検診領域における膵癌発見率はいまだ十分とは言えない.現在消化器がん検診学会を中心に腹部超音波検診判定マニュアルが作成され,超音波検診の精度向上にむけて普及が行われている.また早期膵癌の拾い上げには地域中核病院と連携病院間での膵癌危険群の啓蒙と腹部超音波検査を用いた積極的なスクリーニングが有用である.そして嚢胞や膵管拡張といった高危険群を囲い込み,膵精密超音波検査を中心とした膵検診システムを用いて経過観察を行うことにより早期膵癌を発見できる可能性がある.今回腹部超音波検査での膵臓描出の工夫と共に,腹部超音波検査による膵癌早期診断の現状を報告する.