著者
塚本 由紀 真島 久和 犬飼 幸子
出版者
日本小児放射線学会
雑誌
日本小児放射線学会雑誌 (ISSN:09188487)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.113-118, 2021 (Released:2021-03-27)
参考文献数
18

1歳10か月女児.発熱2日目(第2病日)に痙攣し,単純型熱性痙攣と診断された.第3病日,川崎病主要症状全てを認め川崎病の診断で当院に入院し,免疫グロブリン療法(IVIG)を開始した.同日夜に痙攣を2回認めた.第4病日,発熱が続きJapan Coma Scale 30の進行性の意識障害があり,脳MRIを施行したところ拡散強調画像において,脳梁膨大部,および前頭葉から半卵円中心に対称性の高信号域を認め,拡散係数は低下し,mild encephalitis/encephalopathy with a reversible splenial lesion(MERS)2型の画像所見に合致した.進行性の意識障害を認めたためIVIG追加とステロイドパルス療法を行ったところ,意識障害は改善し,後遺症なく経過した.本症例のように熱性痙攣と考えられた場合でも,脳炎・脳症の可能性があるので慎重な経過観察が必要である.