著者
田中 彰則 田崎 晴明
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.66, no.6, pp.434-438, 2011-06-05

われわれは強磁性が生じる機構をミクロな量子多体系の問題にさかのぼって理解することを目指して研究を進めている.ここでは,「金属強磁性」つまり「同じ電子が強磁性と電気伝導の双方に寄与する」現象を,ハバード模型という理想化されたモデルから厳密に導く最近の研究について述べる.専門外の読者を想定し,モデルと結果の概要を中心に解説する.