著者
田中 昭夫
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.185-188, 1983

力学実験で,物体の運動の解析に用いられる打点式記録タイマーは,次のような難点をもっている.すなわち,打点にばらつきがある.テープとタイマー間の摩擦が無視できない,さらに直流式のものは,電源電圧によって打点周期が異なる.使用中に調整すると特性が変わる等である.そこで,16mmネガティブ白黒フィルムと光検出器を利用してメモリータイマーを試作した.すなわち16mmフィルムに透明線を入れて真黒に現像処理したものをテープとし,これを光検出器に通してパルスを発生させる.このパルスをメモリー付デジタルストップウォッチ又はメモリー付デジタル周波数計で計測すると,物体のいろいろな運動を解析できるメモリータイマーになる.実験の結果,メモリータイマーは,打点式記録タイマーのもっている難点を補い.しかも,測定精度が高く,取扱いも簡単であることが分かった.