著者
田端 啓一
雑誌
研究報告システム・アーキテクチャ(ARC) (ISSN:21888574)
巻号頁・発行日
vol.2015-ARC-217, no.6, pp.1-1, 2015-10-01

近年,多くの WEB ブラウザで共通に利用可能である JavaScript が,プログラマによる記述のみならず,コンパイラやトランスレータのバックエンド言語として活用され,新たなアプリケーション実行基盤として注目されている.中でも,asm.js と呼ばれる JavaScript のサブセットへの変換は,Just-in-Time コンパイルの結果,ネイティブに迫る実行速度を実現できるよう意図されており,実行速度の面で期待が大きい.本発表では,C-to-JavaScript コンパイラである Emscripten を利用して,種々のベンチマークを asm.js に変換し,JavaScript 実行環境が,1.どのような実アプリケーションでの利用に耐えられる実行速度を達成しているか,2.どのような処理をクラウドにオフロードすべきか,3.どのような処理をネイティブコードで実装すべきか,について定量的評価と検討を行う.