著者
石田 光宏
出版者
兵庫県立大学自然・環境科学研究所天文科学センター
雑誌
Stars and Galaxies (ISSN:2434270X)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.10, 2022 (Released:2023-02-10)
参考文献数
21

長年、Be星(カシオペヤ座γ型変光星)の測光・分光観測が行われているが、未だに星周円盤の生成・消 滅のメカニズムは明らかになっていない。そこで、2018年9月から2020年3月まで、学校天文台にある小口 径望遠鏡+低分散分光器を用いて、複数のBe星の分光モニター観測を行った。得られたスペクトルから水 素輝線等価幅、バルマー逓減率(Hα / Hβ)を計算し、時間変動などを調べた。その結果、バルマー逓減 率に有意な変動がある天体を複数確認した。この現象を説明するため、「Be星の伴星が近星点を通過する ときの潮汐力で円盤がリング化する」という仮説を立てた。