著者
神蔵 嘉子
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.56, 1967-05-10

あれは昭和25年2月ごろだったろうか。川崎市中央保健所からの依頼で,神奈川県看護指導所に勤務していた私が,保健婦研究会に参加したことがあった。当時の保健所は,現在の市役所地下食堂の位置にあり,非常にせまく,来訪者によって混雑をきわめていた。「神蔵さん,あなたは保健婦に何が1番必要だと思いますか。」 かんたんな挨拶のあと,小宮山所長さんからの突然の質問に,私はちょっととまどってしまった。が,その当時は,戦後の混乱の時期を通りすぎていて,看護新制度切りかえのための諸問題のなかで,保健婦が新しい時代を迎えようとしているときであり,教育が必要であると私自身考えていたので,