著者
福田 文雄 植田 尊善
出版者
The Japanese Association of Rehabilitation Medicine
雑誌
リハビリテーション医学 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.29-33, 2001-01-18 (Released:2009-10-28)
参考文献数
10
被引用文献数
11 6

頸髄損傷の評価法として,我々は当センターで考案した独自の評価法を用いている.横位評価として改良Frankel分類を,高位評価として頸髄損傷高位判定評価法を用い,受傷後7日以内に入院し6ヵ月以上経過観察できた294例を対象に,その神経回復を解析し麻痺の予後予測を試みた.改良Frankel B1,B2,B3からD以上への回復は,それぞれ20,32,80%となり,B3はB1,B2に比して有意な差を認めた.同様に改良Frankel C1,C2からD以上への回復は61%と97%であり有意な差がみられた.Frankel分類を細分化することにより,四肢麻痺の機能障害を一層明瞭に評価できるだけでなく,急性期頸髄損傷の神経学的回復において予後予測として有用である.