著者
私市 和俊
出版者
Japan Society for Atmospheric Environment
雑誌
大気汚染学会誌 (ISSN:03867064)
巻号頁・発行日
vol.17, no.5-6, pp.347-352, 1982-12-20 (Released:2011-11-08)
参考文献数
6

硫黄酸化物日平均値濃度の累積度数分布に近似される分布モデルについて考察した。候補としたモデルは, 適用が容易で2母数を含む, 正規, 対数正規, Weibullの各分布であり, 測定値との適合度を次の3種類の方法で検討した。すなわち, 確率紙による方法, AICによる方法, 各パーセント値における測定値と計算値の差の標準偏差に注目する方法を利用した。その結果, ここで取り上げた3分布の中では, 一部の解析を除いて, 対数正規分布が良いことが分かった。また,日本全国で測定されたデータの解析により, 対数正規, Weibull分布の母数の推定量が取る範囲および経年変化が明らかにされた。これらの値は, 大気汚染制御上の要素として利用できるであろう。