著者
秋元 博一 荒井 敢太
出版者
森林野生動物研究会
雑誌
森林野生動物研究会誌 (ISSN:09168265)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.6-12, 1997 (Released:2017-10-03)

本研究は野生カルガモを、ニワトリの育成用飼料を用いて育成し、その体重の成長パターンを明らかにするために、3点法によるRichardsの成長曲線モデルの当てはめを行った。あてはめ計算のための測定週齢の組合せ数は12組を設定し、m値は0から2.0まで0.1間隔に設定して、それぞれの曲線モデル式を推定した。適合度は決定係数(R^2)の大・小によって判定した。(1)カルガモの成長パターンは初期成長が旺盛で、変曲点時週齢は雄では4.36週齢、雌は3.76週齢であり、アヒル(中国産ペキン種)の変曲時週齢に近い。(2)12組の測定週齢の組合せの中で、最も高いR^2値をえたm値では1-8-19週齢の1.1(R^2=99.74%)、雌は1-9-20週齢の0.8(R^2=99.40%)である。したがって、成長型は雄はGompertz曲線に近く、雌はBertalanffyよりGompertz曲線への移行型と考えられる。(3)決定係数(R^2)と規値の関係は、アヒルやニワトリと同様に1本の曲線で表現される。