著者
稲垣 修一
出版者
大同特殊鋼株式会社
雑誌
電気製鋼 (ISSN:00118389)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.192-195, 1964-07-31 (Released:2009-05-25)

(a) シュウ酸電解エッチング試験は,この推薦案に示す標準沸騰硝酸試験では試片の腐食速度が小さく,また,そろっているか否かを推定するのに使用して差し支えない。これは,標準硝酸試験のみと併用するが,シュウ酸エッチング試験は,試験片の分類の基準として単独に用いて不十分なことはない。この腐食試験法で検定した材料に,沸騰硝酸試験を実施しなくてよい。この腐食試験で不合格となった材料には,却下する前に沸騰硝酸試験を実施しなければならない。(b) シュウ酸試験を適用し得るステンレス鋼の型は次の通りである。AISI 304, AISI 316, AISI 304L(センシタイズ状態で試験8)ACI CF-8 ACI CF-8MおよびCN-7MAISI 321, 347または316L型鋼には適用できない。したがって316型鋼を評価するときには,炭素量は0.03%以下でなければならない。