著者
宮崎 光治 高田 十志和 遠藤 剛 稲永 昭彦
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
Dental Materials Journal (ISSN:02874547)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.9-18, 123, 1994-06-25
被引用文献数
1 13

スピロオルトエステルを側鎖に持つアクリレート(ASOE)およびメタクリレート(MASOR)を合成し,その重合と得られた重合体の性質について検討した.スピロオルトエステルはイオン重合開始剤(BSS, HPSS)による加熱重合によって良く開環重合した.しかし,得られた重合体には少量の未反応の二重結合が見られた.また,ラジカル重合開始剤(BPO, AIBN, DTBおよびCQ)による重合ではビニール基の重合のみならず開環重合も低調であった.BSS ,AIBNおよびBPO/BSSによる加熱重合によって得られたMASOE重合体はプラスチックス状であった.ASOEおよびMASOEのイオン重合開始剤による加熱重合や紫外線重合における重合収縮は汎用のモノメタクリレートに比べて有意に小さかった.