著者
河合 恒祐 立川 昌子 後藤 新平
出版者
岐阜県畜産研究所
雑誌
岐阜県畜産研究所研究報告 (ISSN:13469711)
巻号頁・発行日
no.6, pp.49-54, 2006-07

近年、赤玉卵の需要が増加傾向にある。当所でロードアイランドレッド種(48系)雄とコロンビアンロック種(47系)雌との組合せから作出した高品質赤玉鶏(48×47鶏)と、市販外国銘柄2鶏種、さらに(独)家畜改良センター岡崎牧場および県内民間育種研究所の交配鶏について、産卵性と内部および外部卵質を重点に経済性調査を実施した。1.140日齢までの育成率は、いずれの区も95%以上の育成率であった。141日齢から448日齢までの生存率は、市販外国銘柄鶏(D)区が最も高く、次いでYA×LA区が高かった。2.50%産卵日齢は、市販外国銘柄鶏(D)区が最も早く、市販外国銘柄鶏(C)区が最も遅かった。3.ヘンディ産卵率、及びヘンハウス産卵個数で、市販外国銘柄鶏(D)区が最も優れ、次いで48×47区が優れていた。4.平均卵重は48×47区が、日産卵量は市販外国銘柄鶏(D)区が優れていた。5.飼料要求率は市販外国銘柄鶏(D)区が最も優れ、YA×LA区、48×47区が次いで優れていた。6.卵殻強度はA×B区及び市販外国銘柄鶏(C)区が、卵殻厚は市販外国銘柄鶏(C)区が優れていた。市販外国銘柄鶏(D)区では卵殻強度が他区より劣っていた。7.ハウユニット(HU)は市販外国銘柄鶏(D)区が最も高く、肉斑出現率はYA×LA区が最も少なかった。8.卵殻卵重比は市販外国銘柄鶏(C)区が、卵黄卵重比は48×47区が最も高かった。9.卵殻色については、48×47区が最も濃い傾向を示した。10.鶏卵1kg当たりの平均価格は、何れの区も213.0-214.6円/kgの間にあり、市販外国銘柄鶏(D)区が最も高く、48×47区が最も安くなった。11.成鶏開始時1羽当たりの粗利益は、市販外国銘柄鶏(D)区が2184円と最も多く、次いで48×47区が2067円で、A×B区では1865円で最も少なかった。48×47鶏は市販外国銘柄鶏と比較して、ヘンディ産卵率及び平均卵重で優れており、卵質においては卵黄卵重比で優れた成績を示した。このことから高品質国産赤玉鶏として有望である。