著者
谷 泰弘 長尾 高明 竹中 規雄
出版者
公益社団法人精密工学会
雑誌
精密機械 (ISSN:03743543)
巻号頁・発行日
vol.48, no.12, pp.1567-1572, 1982-12-05

正面研削における切削機構を解明するために, 熱間鋼との相似性が主張されているプラスティシソ(油粘土)を被削材として, 切込み量が一定ですくい角が負の二次元正面切削のモデルテストを切削条件を変えて行った。まず非常に高性能の円孔平行平板形構造の小型三方向ロ一ドセルを開発し, このロードセルを平板状の切れ刃に、埋め込むことにより, 切れ刃すくい面に作用する応力の分布を測定し, 次のような結果を得た。(1)切れ刃すくい面上の垂直応力は切れ刃先端部で大きく, 接触領域中央部でほぼ一定であるような分布をしており, 摩擦応力は正負両方向に交互に変化するような分布をしている。(2)すくい角および切削速度が変化しても, その分布形状には大きな変化はないが, 垂直応力の値はすくい角が小さい程, また切削速度が大きい程大きくなっている。一方, 摩擦応力の絶対値は逆に小さくなっている。