著者
石川 枝津子 増田 欣也 竹中 重仁 豊田 政一
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.7-13, 2002-03

北海道十勝地方に導入がはかられている直播キャベツ栽培の雑草対策を確立するために,直播キャベツの栽培試験圃場において発生雑草を調査した。直播キャベツ畑では,スカシタゴボウ(Rorippa islandica(Oeder) Borb.),シロザ(Chenopodium album L.),イヌタデ(Persicaria longiseta(De Bruyn)Kitag),タニソバ(Parsicaria nepalensis(Meisn.)H.Gross)の発生量が多かった。移植栽培との比較において発生草種に違いは認められなかったが,直播は移植に比較して雑草の発生量が多かった。また,直播栽培では,作期や施肥法によってスカシタゴボウの実生の発生本数が増加した。スカシタゴボウはキャベツの生育期間中に結実し埋土種子を増加させ,さらに,その種子の一部は出芽して越冬型となった。移植に比較して初期生育が劣る直播キャベツ作では土壌処理剤の使用が必要であるが,キャベツに使用可能な土壌処理剤(トリフルラリン)の効果はスカシタゴボウには劣った。直播キャベツ畑の雑草管理にはスカシタゴボウの対策が必要であることが明らかになった。