著者
井筒 雄介 中川 歩 笠間 俊夫
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.FIN-029, pp.61-66, 2022-10-08 (Released:2022-10-01)

不動産価格の一つである土地の価格は,実勢価格,公示地価,路線価,固定資産税評価額の 4 種類が存在し,公示地価を起点として他の価格が形成されている.しかし,公示地価として公示されるのは標準地として選定された地点のみであり,標準地と離れた場所では,土地取引時や固定資産税の算出時に,適切な価値として評価することができない可能性を孕んでいる.また近年では,機械学習を用いて土地の価格単体や建物込みの取引価格,賃料等を予測する研究が盛んに行われているが,公示地価を予測対象とした研究や,モデルの入力として周囲の標準地の価格を適用した研究の事例は少ない.そこで本研究では,標準地ではない地点の公示地価に資する価格(土地価格)を予測可能とすることを目的に,モデルの構築および検証を行った.予測対象地点の土地に関する属性情報に加え,周囲の標準地の件数を一定数で取得し,その標準地の属性情報を説明変数とした機械学習モデルを構築,検証した.この結果,一定の精度で任意の地点の土地価格を予測可能なモデルを構築できた.