著者
吉田 正平 海野 信也 香川 秀之 篠塚 憲男 上妻 志郎 武谷 雄二
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.53, no.11, 2001-11-01

正期産妊娠における妊娠中の胎児超音波計測による推定体重と出生体重の関係を知る目的で548例の児奇形のない妊娠をretrospectiveに検討した.対象症例は正期産時の出生体重の偏差値によって6群に分類した.推定体重偏差値と出生体重偏差値の関係とその変化を, 推定時期を妊娠20週以降4週間ごとに分けて検討した.推定体重偏差値によって判定した胎児発育パターンは正常発育児とIUGR児では明らかに異なっていた.その差は妊娠20〜23週には既に存在していた.妊娠20〜23週以降満期に至るまで推定体重偏差値は出生体重偏差値と有意に相関していた.本研究によって, 超音波測定によって検出しうる胎児発育の差は既に妊娠20〜23週で存在していることが明らかとなった.