著者
舛本 佳菜江
出版者
京都大学大学院教育学研究科
雑誌
京都大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13452142)
巻号頁・発行日
no.65, pp.303-315, 2019

本研究は、歴史人類学的な手法を用いて、儀礼的行為と教育文化との関係を明らかにする。2013年と2014年の熊本県上天草市松島町における盆儀礼の調査を行った。その調査結果をもとに、盆儀礼における「間」という概念についての考察を行った。盆儀礼においては、墓、赤飯、縁側が、死者と生者との「間」を演出する。こうした「間」において人々が盆儀礼を遂行することによって、生者と死者あるいは生者と生者の間に一年に一度の「縁」が結ばれ、先行世代から次世代へと継承される地域という「間」が生じるのである。