日本においては主に1990年代後半から地方創生や観光促進等の文脈とも深く関わりつつ、他国とは異なる独特な形での「地域アート」(ある地域名を冠した美術のイベント)が展開されており、佐賀県内においても同様の動きが複数見られる。本稿ではこれまでまとまった形での記録がほぼ残されていない佐賀県内における地域アートについて、特に2000年以降の事例に関する情報をできる限り整理した上で概観を試みる。 具体的には、佐賀市内の事例として、美術グループ「VAROC」(2004-12年)の活動、佐賀大学生が商店街と共同で取り組んだ『アートコンプレックス』(2008)および『呉福万博』(2009-12年)、『コミニカ展』(2011、12年)について、有田町内の事例として、『庭園陶彫展 CERAMIC SCULPUTURE IN GARDEN』(2005年)、『有田現代アートガーデンプレイス』(2006-13年)、『Media Butterfly in Arita』(2014、15年)について、それぞれ入手しえた資料をもとに情報を整理し、概観する。
日本においては主に1990年代後半から地方創生や観光促進等の文脈とも深く関わりつつ、他国とは異なる独特な形での「地域アート」(ある地域名を冠した美術のイベント)が展開されており、佐賀県内においても同様の動きが複数見られる。本稿ではこれまでまとまった形での記録がほぼ残されていない佐賀県内における地域アートについて、特に2000年以降の事例に関する情報をできる限り整理した上で概観を試みる。 具体的には、佐賀市内の事例として、美術グループ「VAROC」(2004-12年)の活動、佐賀大学生が商店街と共同で取り組んだ『アートコンプレックス』(2008)および『呉福万博』(2009-12年)、『コミニカ展』(2011、12年)について、有田町内の事例として、『庭園陶彫展 CERAMIC SCULPUTURE IN GARDEN』(2005年)、『有田現代アートガーデンプレイス』(2006-13年)、『Media Butterfly in Arita』(2014、15年)について、それぞれ入手しえた資料をもとに情報を整理し、概観する。