著者
戸川 一夫 荒木 謙一
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリートジャーナル (ISSN:00233544)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.105-112, 1974-04-15 (Released:2013-04-26)
参考文献数
14

本研究の主目的は短く切った金属繊維をモルタルあるいはコンクリートに混入することによって曲げ強度の改善を行なうことと, 曲げ強度を合理的に表わす指標を究明することである。本実験でもちいた主要因は金属繊維の長さ, 径, 混入量, 付着強度およびモルタル, コンクリートのワーカビリチーである。本実験結果を要約すると次のようである。1) 直径360μ, 長さ30mm, のクリンプした金属繊維を30%混入したモルタルの終局曲げ強度は普通モルタルの5倍近い強度が得られた。2) 金属繊維補強モルタルの終局ならびに初期ひびわれ荷重時の曲げ強度は (付着強度) × (繊維の長さ) × (繊維の比表面積) × (フロー比) の関数として表わすことができる。3) モルタルの引張強度, コンクリートの曲げ強度も上記関数をパラメータとして推定することが可能である。