著者
荻沼 一男 藤田 けんじろう
出版者
日本植物分類学会
雑誌
植物分類・地理 (ISSN:00016799)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.69-71, 1997-08-30

ネウラダ科Neurada属の唯一の種N. procumbensの染色体数にはいるいるな報告があった。今回サウジアラビアからの種をもとに体細胞染色体を観察した結果, 2n=14であり, これまでの報告と併せて, 属の基本数x=7を決定した。また中期染色体の核型が初めて観察された。その結果, 4本の中部型染色体, 4本の次中部型染色体及び6本の次端部染色体からなっていた。染色体長の変異は二相的であり, 染色体組中に二次狭窄を持つ染色体が2対見られた。
著者
荻沼 一男 高野 温子 角野 康郎
出版者
日本植物分類学会
雑誌
植物分類,地理 (ISSN:00016799)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.47-52, 1996-07-10 (Released:2017-09-25)
参考文献数
13

日本産ヒシ属(ヒシ科)4taxaについて, 若い葉の細胞を利用して調べた核形態を初めて報告する。ヒメビシ(Trapa incisa)及びオニビシ(T.natans var.japonica)は共に2n=48, ヒシ(T.japonica)は2n=96, コオニビシ(T.natans var.pumila)は2n=ca.96の染色体をもつことが明らかになった。間期核はいずれも単純染色中央粒型を示し, 中期染色体長は0.3-1.2μmと小さく, また, 染色体基本数はχ=24(或いはχ=12)であることが分かった。2n=96(或いは2n=ca.96)の染色体数をもつヒシ及びコオニビシは共に, 2n=48のヒメビシ及びオニビシとの雑種起源の複二倍体或いは複四倍体である可能性が示唆された。
著者
荻沼 一男 ギレルモ イバラーマンリケス 戸部 博
出版者
日本植物分類学会
雑誌
植物分類・地理 (ISSN:00016799)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.135-137, 1992-12-30
被引用文献数
14

最近コスタ・リカとメキシコからの新属として発表された Tuxtla の唯一の種 T.pittieri(Greeman in W.W.Jones)Villasenor and Strotherについて, 染色体数と核型が初めて明かにされた。 染色体数は2n=34(x=17)で, 間期核は"diffuse-complex type"であった。34本の染色体のうち, 30本は中部に, 2本は次中部に, 残り2本は次端部から端部に動原体を持つ。染色体基本数(x=17)が一致することから, TuxtlaがVerbesinaと近縁であることが示唆された。