著者
菊池 智紀 古井 貞煕 堀 智織
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.121(2002-SLP-044), pp.225-230, 2002-12-16

本稿では,これまで我々が提案してきた単語抽出による要約手法の前処理として,重要文抽出を組み合わせた2段階の音声自動要約手法を提案する.本手法では音声認識の結果から,各文の構成単語の重要度,信頼度,言語的自然さの評価値から重要文抽出の要約スコアを求め,それをもとに認識率の低い文,理解困難な文をあらかじめ除いておく.次に,残された文に対して,同様の評価値に単語間遷移スコアを加えた要約スコアを最大にするような,部分単位列を抽出するという手法により要約文を作成し,高精度化をはかる.この手法を用いて講演音声を自動要約し,複数の被験者により作成された正解要約文単語ネットワークに基づく評価を行う.重要文抽出法を用いない従来までの要約手法との要約精度の比較を行った結果,提案手法の有効性が確認された.