著者
藤原 智也
出版者
美術科教育学会
雑誌
美術教育学 : 美術科教育学会誌 (ISSN:0917771X)
巻号頁・発行日
no.35, pp.441-455, 2014-03-20

本論では,臨時教育審議会以降の新自由主義教育改革における美術教育-学習の機会保障の問題を検討した。まずケインズ主義から新自由主義への政策的転換及び成長期近代から成熟期近代への社会的変容という背景と,それに伴う社会構造改革の一部としての教育改革という位置づけを示した。そして,第二の改革勢力としてのポストモダン派の要請とを整理しながら,1990年代から2000年代にかけての新自由主義教育改革の実質化と変容を明らかにした。これらを踏まえて,美術科縮減圧力を複線化と融合統合化による境界曖昧化であることを明らかにした。そして,これまでの制度改革や進行中の議論,今後のリスクシナリオの描写を含めた考察を行い,美術教育における課題を提示した。
著者
藤原 智也
出版者
美術科教育学会
雑誌
美術教育学:美術科教育学会誌 (ISSN:0917771X)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.377-390, 2015

本論文では,まず学校と地域連携の実践の前提となる議論に考察を加えた。具体的には,近代における分化原理について考察した後,学校と地域共同体との関わりから教育を構成する社会改造主義の立場について,J.デューイに依拠してカリキュラムの統合原理と地域の共同性の側面から明らかにした。次に,社会改造主義について,ギデンズの「第三の道」理論と照合しつつ,成熟期近代としての今日におけるアクチュアリティを検討した。これらを踏まえて,学校美術教育における教科性をもとにした実践の有効性を論じ,筆者による中学校での授業事例の検討を通してその実践上の可能性を示した。