著者
郭 隆璨 竹内 文彦 伊東 正太郎 角家 暁
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.569-574, 1988-06-01

抄録 頭蓋内生理的石灰化のうち頻度の高い松果体部,側脳室脈絡叢,大脳基底核の石灰化について,年齢別,性別,使用機種別頻度などを検討した。対象は頭部単純CTスキャンを行った連続2877例(男性1450例,女性1427例)である。ただし検討部位の病的石灰化例は除外した。使用CTスキャナーは3種(SCN−200, Somatom 2, TCT−10 A)である。全体としては石灰化は松果体部67.7%,側脳室脈絡叢57.6%,大脳基底核7.5%で松果体部石灰化が最も多かった。第1報の本稿では最も頻度の高い松果体部石灰化について詳しく検討した。松果体部石灰化は年齢と密接な相関を有し,加齢と共に増加した。最年少者は8歳で,10歳代前半から30歳代までは急速に増加し,以後ゆるやかに増加を続け,70歳代で81.5%に達し,以後横ばいとなった。20歳以上に限ると75.1%(男性82.6%,女性68.0%)が石灰化を示した。20〜79歳では男性は女性より有意に石灰化が多かった。3種のCTスキャナー別にみた石灰化頻度に差はみられたが,有意ではなかった。スライス厚さ8mmおよび10mmでは有意差はなかった。
著者
角家 暁
出版者
日本脊髄外科学会
雑誌
脊髄外科 (ISSN:09146024)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.1-14, 1999
被引用文献数
1

わが国の脳神経外科における脊椎・脊髄外科の歴史を考察した.日本脳神経外科研究会から学会となった1948年から1951年代には脊髄の解剖, 生理についての貴重な発表, 論文が多数存在するが, 今回は脊椎・脊髄の外科の歴史をたどるのが目的であるため除外した.今回の考察は多くの人々から提供された資料と私個人で行った調査を基に記述した.しかし先駆者の重要な貢献を取りこぼしている可能性があるとも考えられ, そのような場合はお詫びするとともに, 補筆したいので是非著者にお知らせいただきたいと願っている。